日 時:2004年10月2日(土)13:30-18:00
場 所:東京工業大学南7号館2階201/202講義室
講 演:
- 西山 伸先生 千葉大学 工学部 共生応用化学科
演題:「AgSbO3熱電変換特性評価と化学溶液法による薄膜化」
内容:熱電変換酸化物では、p型とn型の両方がそろわないと効率の良い変換が できないが、最近発見された高い効率を持つ
酸化物材料のほとんどはp型である。我々は昨年n型材料であるAgSbO3にCuOを 添加して得た焼結体が高い効率を持つこと
を見出した。今回の研究会では、この材料の特徴とその化学用液法による薄膜 化について紹介したい。
- 増田 淳先生 北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科物性科学専攻
演題:「Cat-CVD法により作製した窒化シリコン膜の基礎特 性からデバイス 応用まで」
内容:Cat-CVD法により作製された窒化シリコン膜は各種半導体デバイスの絶 縁膜や 保護膜として産業界からも注目されている。本講では、Cat-CVD法により作製された 窒化シリコン膜の基礎特性、窒化膜形 成時の触媒体上での反応機構、絶縁膜や保護膜 としてのデバイス応用についてレビューする。とりわけ、有機材料の保護膜とし て期 待されている100℃以下の低温堆積について、実用化に欠かせない堆積速度高速化の 試みについて最新の結果を織り交ぜて 報告する。また、触媒体上で発生させた水素原 子によるレジスト除去装置の開発状況についても簡単に紹介する。
- 佐伯 淳先生 富山大学工学部物質生命システム工学科
演題:「水熱電気化学法を用いて成膜したKTaO3膜の感湿センサ特性」
内容:常温付近での水熱合成法と電気化学的な反応による陽極酸化法を組み 合わせてタンタル感湿 膜の作製を試みた。通電電流の大きさ、KOH水溶液の濃度等により作製できる膜が異なり、感湿素子 に 適した凹凸のある表面状態のKTaO3の膜を得るにはKOH水溶液の濃度と通電電流条件などとのバラ ンスが重要であった。今回 の研究会では作製した膜の湿度に対するセンサ特性についても紹介する。
- 中川茂樹先生 東京工業大学 大学院理工学研究科 電子物理工学専攻
演題:「次世代垂直磁気記録媒体用の高磁気異方性合金薄膜」
内容:次世代の高密度垂直磁気記録媒体においては従来の面内磁気記録媒体以 上の高磁気異方性化と微細化,さらに異方性やドメイン構造が制御された裏打ち軟磁性層の付与が必 要となる。今回は記録 媒体用薄膜として従来の数十倍の高磁気異方性エネルギーを示すFePt規則 合金の極薄(数nm)の完全垂直磁化膜の作製や,高 飽和磁化でやはり従来の数十倍の面内方向一軸磁気異方性を示す軟磁性FeCoB薄膜の作製とその異方性軸の方向制御について報告する。
進 行:木口 賢紀