日 時:2004年11月20日(土)13:30-18:00
場 所:東京工業大学南7号館2階201/202講義室
講 演:
- 小林和義先生 太陽誘電総合研究所物性解析センター
演題:「高抵抗FeNiSiO系ナノグラニュラー磁性体薄膜の作製とその応用」
内容:磁性体薄膜の高周波での応用を目指して グラニュラー磁性体薄膜で検討を行なっている。今回 磁性体粒子をFeNi合金としたナノグラニュラー磁性体薄膜で、これまでのCoFeSiO系よりも数桁高い1Ωcmの抵抗率を実現した。その高周波磁気特性について述べるとともに、高周波用インダクタの磁心材料として適用した結果について紹介する。
- Dr.Yashveer Singh(ヤシビー シン)先生 PANalytical Singapore
演題:「ナノ粒子解析用小角X線散乱装置SAXSessの応用」
内容:SAXS (Small Angle X-ray Scattering) is a widely used technique to characterize nanostructured materials and systems. Recently developed "a modern laboratory equipment" for SAXS with high flux density, low background, point & line (array of points) collimation, including the simultaneous SAXS and WAXS (wide angle X-ray scattering) studies on absolute scale.
The standard evaluation techniques are based on the assumption of diluted, non-interacting systems resulting in a particle form factor. In dense systems the scattered intensity is a combination of this intraparticle scattering (form factor) and interparticle interferences (structure factor). In many applications it is impossible or undesirable to measure diluted systems. We have opened a new way of interpretation of such scattering data, the Generalized Indirect Fourier transformation (GIFT) method, which facilitates the determination of the form factor and the structure factor simultaneously from experimental data with a minimum of a priori information.
- 鈴木久男先生 静岡大学工学部物質工学科
演題:「自己組織化膜を用いたハイブリッドインテグレーションによるCSD法強誘電体薄膜キャパシタのマイクロパターニング」
内容:強誘電体薄膜は優れた電気特性を有しており、MEMSなどへの応用が期待されている。そこで、本研究室ではCSD法でPZT薄膜を作成する際の配向性などを制御して、組成配向性と物性との関係を詳細に調べてきた。発表では、本研究室で目標としているこれらの機能性膜のトータルプロセッシングを達成するため、CSD法によるPZT薄膜の安価で容易な微細加工法を検討した結果を述べる。すなわち、パターン化した自己組織化膜(SAM)をテンプレートとした手法を提案し、CSD法で作成した電極薄膜とのハイブリッドインテグレーションを試みた結果と得られたマイクロパターンの特性を調査した結果を述べる。
- 木口賢紀先生 東京工業大学 総合分析支援センター
演題:「ZrO2バッファ層のドメイン構造と電気特性」
内容:ZrO2は酸化物エレクトロニクスにおいて酸化物薄膜とシリコンとの仲介役,つまりバッファ層として期待されている材料の1つである.従来,イットリアのドープによって立方晶を安定化したYSZが利用されてきたが,C-Vヒステリシスなど問題がYSZ利用の障害となっている.本講演では,安定化剤をドープせずにエピタキシャル成長したZrO2薄膜のバッファ層としての実用性について,構造評価・電気特性評価の両面から検討した.また,膜厚を減少させることによって,安定化剤をドープせずに対称性の高い正方晶ZrO2バッファ層が得られたので報告する.
進 行:木口 賢紀